「止まらない物価高…このまま日本の円は紙くずになるんじゃないの?」
「ハイパーインフレに備えて、預金は全部引き出すべき?」
連日の値上げや円安のニュースに、こんな不安を感じている方も少なくないでしょう。金融の専門家として、その不安に明確な答えを提示します。
結論から言うと、ジンバブエのようなハイパーインフレが明日起きる可能性は極めて低いです。しかし、本当の恐怖は別の場所にあります。それは、私たちの給料は上がらないのに物価だけが上がり続ける「悪いインフレ」によって、あなたの資産が静かに、しかし確実に目減りしていく未来です。
この記事では、インフレの正体から、専門家が予測する日本の未来シナリオ、そして私たちが今すぐ実践できる最強の資産防衛術まで、すべてをわかりやすく解説します。
- 今起きているインフレの「正体」がわかる
- 歴史が教える、ハイパーインフレの本当の恐ろしさがわかる
- 専門家が予測する日本の「3つの未来シナリオ」がわかる
- インフレから資産を守る、具体的な「4つの備え」がわかる
STEP1:インフレの基礎知識を知る
インフレ対策を考える前に、まず「インフレ」には2種類あることを理解しましょう。
良いインフレ
景気が良く、需要(モノを買いたい人)が増えることで物価が上昇。企業の売上も給料も上がる好循環。
悪いインフレ
景気は悪いのに、原材料費の高騰や円安で物価だけが上昇。給料は上がらず生活が苦しくなる悪循環。
残念ながら、私たちが2022年以降経験しているのは、後者の「悪いインフレ」です。給料の伸びが物価上昇に追いつかず、私たちの生活は実質的に苦しくなっています。
STEP2:歴史に学ぶ、ハイパーインフレの本当の恐怖
ハイパーインフレとは、物価が短期間で数倍、数万倍になる異常事態です。歴史上、ハイパーインフレを経験した国は少なくありません。
【事例】戦後の日本を襲った「預金封鎖」と「財産税」
実は日本も、第二次世界大戦後に壮絶なインフレを経験しています。戦費調達のために国が借金をしまくった結果、財政が破綻し、円の価値が暴落したのです。
この時、政府が国民の資産を実質的に没収するために行ったのが、以下の2つです。
- 預金封鎖:銀行預金を一時的に引き出せなくする。
- 財産税:預金や不動産などの資産に最大90%もの税金をかけ、強制的に徴収。
この歴史が教えてくれるのは、「いざとなれば国は個人の資産に手をつける」という事実と、「現金預金だけを持つことの究極のリスク」です。一方で、土地などの実物資産を持っていた人々は、資産価値を守ることができました。
STEP3:専門家が予測する日本の「3つの未来シナリオ」
では、現代の日本は今後どうなるのでしょうか?考えられる3つのシナリオを、可能性の高い順に解説します。
シナリオ①:【可能性:高】「悪いインフレ」と「緩やかな円安」の継続
最も現実的なシナリオです。日米の金利差や日本の生産性の低迷を背景に、物価は年2〜4%程度で上昇し続ける一方、賃金の伸びは追いつきません。銀行預金の価値は毎年着実に目減りしていく、「静かな資産目減り」が進行する未来です。
シナリオ②:【可能性:中】スタグフレーション(不況下の悪性インフレ)
地政学リスク(戦争など)の高まりやさらなる資源価格の高騰で、インフレが加速。しかし、国内景気は後退し、失業率も上昇する最悪の経済状態です。政府・日銀は、景気対策とインフレ対策の板挟みになり、有効な手を打てなくなる可能性があります。
シナリオ③:【可能性:低】テールリスクとしてのハイパーインフレ
これは、首都直下型地震のような巨大災害や、台湾有事といった予測不能な事態により、日本の財政や円に対する信頼が完全に失われた場合にのみ起こりうる、確率の低いシナリオです。国債が暴落し、円の価値が紙くず同然になる状態を指します。
STEP4:【結論】今すぐできる、インフレ時代を生き抜く4つの備え
どのシナリオでも共通するのは、「日本円の現金預金」だけでは資産を守れないという事実です。以下に、私たちが今すぐ始めるべき具体的な備えを、優先順位の高い順に4つ紹介します。
備え①:インフレに強い資産に換える(新NISAの活用)
インフレ対策の基本は、価値が目減りする「現金」を、インフレと共に価値が上昇する「資産」に換えることです。その第一歩として、まずは国が用意してくれた非課税制度「新NISA」をフル活用しましょう。全世界や米国の成長企業の株式に投資するインデックスファンドが王道です。
備え②:「円」以外の通貨を持つ
円安に備えるため、資産の一部を米ドルなどの外貨で持つことが有効です。新NISAで米国株ファンドへ投資することも、実質的にドルを持つことになるため、自然な円安対策になります。
備え③:【最強の対策】金利を味方につける「実物資産」を所有する
シナリオ③のような最悪の事態まで想定するなら、紙幣や電子マネーの価値そのものが失われるリスクに備える必要があります。その究極の対策が不動産や金(ゴールド)といった「実物資産」です。
特に、銀行融資を利用して購入できる不動産投資は、インフレ対策として極めて強力です。
- 家賃もインフレに連動:物価が上がれば、家賃も上昇する傾向にあり、収入がインフレに負けません。
- 借金が目減りする:インフレでお金の価値が下がると、ローンの借金も実質的に軽くなります。まさにレバレッジを効かせたインフレ対策です。
- 資産価値も上昇:インフレ下では、土地や建物の価格も上昇する傾向にあります。
インフレ時代には不動産が最強と言われるのは、このような明確な理由があるからです。
備え④:自己投資で「稼ぐ力」を上げる
どんな時代でも最も確実な備えは、物価上昇を上回るペースで自身の収入を増やすことです。スキルアップや副業など、自分自身の価値を高める「自己投資」を怠らないようにしましょう。
この記事で最強のインフレ対策としてご紹介した「不動産投資」。その具体的な始め方から、リスク、物件選びのコツまで、全プロセスを網羅した完全ガイドを用意しています。
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よくある質問(FAQ)
Q. 今からでも新NISAを始めるのは遅いですか?
A. 全く遅くありません。「静かな資産目減り」は今後も続くと予想されるため、思い立ったが吉日です。NISAは長期で続けることで複利効果が最大化されるため、1日でも早く始めることをお勧めします。ただし、NISAだけで安心せず、他の資産と組み合わせる視点も重要です。
Q. インフレに備えて、銀行預金はすべて引き出すべき?
A. いいえ、その必要はありません。明日ハイパーインフレが起きるわけではありませんし、生活に必要な現金(生活防衛資金として6ヶ月〜1年分程度)は、すぐに使える形で銀行に預けておくべきです。対策すべきなのは、その生活防衛資金を超える「眠っているお金」です。それをインフレに強い資産に換えていく、という考え方が大切です。
結論:未来を正しく恐れ、賢く備える
ハイパーインフレを過度に恐れる必要はありません。しかし、私たちの資産価値が「悪いインフレ」によって静かに失われていくリスクは、すぐそこまで来ています。未来のシナリオを正しく理解し、今日から賢く備えることで、どんな時代でも対応できる、しなやかで強い資産を築いていきましょう。
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赤坂ファイナンシャル株式会社 代表取締役
元大手企業勤務、3,000人以上の相談実績と著書『地味な投資で2000万円』を持つお金のプロ。ファイナンシャルプランナー、クレジットカードアドバイザー®として、難しい金融の話を初心者向けにわかりやすく解説しています。
主な実績
著書:『自由に生きるための 地味な投資で2000万円』
メディア出演:テレビ朝日「グッド!モーニング」、週刊SPA!、現代ビジネス、プレジデントオンライン等 多数
講演実績:一部上場企業、経営者団体など