「日本の借金は1人あたり800万円」「このままではハイパーインフレに…」
経済ニュースで不安を煽る言葉を見聞きしても、いまいちピンとこない…。そう感じていませんか?
その根本原因は、私たちが学校で教わってこなかった、あまりにも基本的な「お金の仕組み」を知らないことにあります。衝撃的な事実からお伝えすると、あなたが銀行に預けているお金は、新しい”借金”によって生み出されたものかもしれません。
この記事を読めば、経済というゲームの「本当のルール」がわかります。そして、ニュースの裏側で何が起きているのかを理解し、自分の資産を賢く守るための第一歩を踏み出せるようになります。
お金の正体を知る旅へ:すべては「金庫番」から始まった
現代の複雑なお金の仕組みを理解する鍵は、その誕生の歴史に隠されています。少しだけ、中世ヨーロッパの時代にタイムスリップしてみましょう。
STEP1:金(ゴールド)と「預かり証」の誕生
当時、人々の間では金貨が「お金」として使われていました。しかし、大量の金貨を持ち歩くのは物騒で不便です。そこで人々は、頑丈な金庫を持つ「金庫番(ゴールドスミス)」に金貨を預け、その代わりに**「預かり証」**を受け取るようになりました。
やがて人々は、買い物をするたびにいちいち金貨を引き出すのが面倒なことに気づきます。そして、「預かり証」そのものをやり取りすることで、支払いを済ませるようになりました。この「いつでも金と交換できる紙切れ(=兌換紙幣)」が、現代の紙幣の原型となったのです。
STEP2:金庫番の”偉大な発見”
取引が「預かり証」だけで行われるようになると、金庫番は驚くべき事実に気づきます。
「預けてある金貨を、実際に引き出しに来る人はほとんどいないじゃないか…!」
そこで、彼は天才的な(そして少しずる賢い)アイデアを思いつきます。それは、「実際に預かっている金貨の量以上に、『預かり証』を発行して、お金を必要とする人に利子付きで貸し出せば大儲けできる」というものでした。これが、現代の銀行システムの核となる「信用創造」が生まれた瞬間です。
現代の錬金術「信用創造」の仕組み
この「金庫番の物語」は、現代の銀行システムにそのまま当てはまります。「金庫番」は「銀行」に、「預かり証」は私たちの「銀行預金(通帳のデジタルな数字)」に変わっただけなのです。
【図解】銀行がお金を生み出すプロセス
多くの人が「銀行は、Aさんから預かった100万円をBさんに貸している」と思っていますが、これは間違いです。正しくは以下の通りです。
(図:銀行の信用創造の仕組み)
- 銀行が、事業を始めたいBさんに100万円を貸し出すと決める。
- 銀行は、Bさんの預金口座の残高に「1,000,000円」とキーボードで打ち込む。
- この瞬間、世の中に新しいお金が100万円「創造」される。
つまり、銀行は誰かの預金を又貸ししているのではなく、貸付を行うと同時に、無から新しい預金(お金)を生み出しているのです。これが「信用創造」です。
もちろん、無限にお金を生み出せないように、日本銀行が「準備預金制度」というルールで、銀行が創造できるお金の量に一定の制限をかけています。しかし、基本的な仕組みは金庫番の時代から変わっていません。
なぜ「お金の仕組み」を知らないと一生損するのか?
この「信用創造」というゲームのルールを知るだけで、経済ニュースの見え方が180度変わります。
資本主義経済では、企業や個人がお金を借りて活動することで成長します。つまり、「信用創造」によって世の中のお金の量は増え続けるのが宿命です。だからこそ、何もしなければ、あなたのお金(円)の価値は長期的には下がり続ける(インフレ)のです。この事実を知ることが、資産防衛の第一歩です。
▶日本でハイパーインフレは起きるのか?
「景気が良い」とは、多くの企業や個人が銀行からお金を借りて、設備投資や消費を活発に行っている状態です。つまり、景気のエンジンは「信用創造の量」なのです。ニュースで「企業の資金需要が旺盛」と聞けば、「景気が上向いているな」と本質を理解できます。
日本銀行が行う「利上げ」「利下げ」といった金融政策。その最大の目的は、この「信用創造の量」をコントロールすることです。金利を下げれば企業や個人はお金を借りやすくなり(景気刺激)、金利を上げれば借りにくくなる(景気抑制)。中央銀行は、金利という蛇口を調整して、経済の舵取りをしているのです。
▶マイナス金利政策とは?
結論:経済というゲームのルールを理解し、賢く立ち回ろう
ここまで見てきたように、お金の仕組みは私たちの生活と密接に結びついています。
- 銀行は預金を又貸ししているのではなく、貸付によって「信用創造」している。
- 世の中のお金の量は増え続けるため、インフレは必然である。
- 景気や金融政策は、「信用創造」の量をめぐるゲームだと理解できる。
お金の仕組みを知ることは、現代の資本主義社会を生き抜くための必須の教養です。このルールを知ることで、あなたは初めて、自分の大切な資産をインフレから守り、豊かになるための具体的な戦略を立てることができるのです。
▼お金の仕組みを理解したあなたが、次に学ぶべきこと
【警告】銀行預金だけの人は将来詰みます。資産が減る本当の理由と対策3選
【図解】複利と単利の違いとは?初心者でもわかる資産運用の基本

赤坂ファイナンシャル株式会社 代表取締役
元大手企業勤務、3,000人以上の相談実績と著書『地味な投資で2000万円』を持つお金のプロ。ファイナンシャルプランナー、クレジットカードアドバイザー®として、難しい金融の話を初心者向けにわかりやすく解説しています。
主な実績
著書:『自由に生きるための 地味な投資で2000万円』
メディア出演:テレビ朝日「グッド!モーニング」、週刊SPA!、現代ビジネス、プレジデントオンライン等 多数
講演実績:一部上場企業、経営者団体など