「ファミリータイプ区分マンション投資は儲からない?ワンルームとの違いと出口戦略」

資産運用初心者向け

「広くて安心」という直感が、なぜ危険な投資につながるのか?

こんにちは。3000人以上の資産相談に乗ってきたFPのまさとです。不動産投資を検討する際、「どうせなら、部屋が広いファミリータイプの方が、家賃も高く取れるし、資産として安定しているのでは?」と考える方は少なくありません。

一見、その考えは理にかなっているように思えます。しかし、FPとして数々の成功事例と失敗事例を見てきた私の結論から言うと、これは「投資初心者が最も陥りやすい、危険なワナ」の一つです。

この記事では、なぜ多くのサラリーマン投資家にとってファミリータイプ区分マンション投資が「儲からない」結果に終わるのか。ワンルーム投資との決定的な違いである「出口戦略のターゲット」という視点から、その構造的な問題を、実例を交えて徹底的に解説します。


結論:ファミリータイプ投資が難しい最大の理由

なぜ、ファミリータイプへの投資は難しいのか。理由は一つに集約されます。

「投資家」であるあなたと、
売却時の顧客となる「マイホーム購入者」との間に、
深刻な“ミスマッチ”が生じるからです。

ワンルームマンションは主に「投資家から投資家へ」と売買されます。評価基準は利回りやキャッシュフローといった「数字」です。しかし、ファミリータイプマンションを最終的に購入するのは、そこに住みたいと考える「一般の家族(実需層)」です。彼らの評価基準は、「住み心地」や「デザイン」といった「感情」であり、ここを理解しないまま投資を始めると、致命的な失敗につながります。


ワンルーム投資との決定的違い【5つの比較】

ファミリータイプとワンルームでは、ビジネスモデルが全く異なります。その違いを5つの視点で見ていきましょう。

比較項目 ファミリータイプ ワンルーム
① 利回り 物件価格に対して家賃が安く、利回りは低い(2~4%台)。 価格が手頃なため、利回りは高い(4~5%台)。
② 購入価格と融資 高額(5,000万円~)。ローン額も大きく、返済負担が重い。 手頃(2,000万円台~)。ローン額が少なく、負担が軽い。
③ 入居者リスク 一度空くと次の入居者が見つかりにくく、空室期間が長期化しやすい。 単身者需要は旺盛で、空室期間は短い。
④ 売却時のターゲット 「マイホームを探す一般家族(実需層)」 「利回りを求める他の投資家」
⑤ 求められる価値 キッチン・風呂の綺麗さ、デザイン、日当たりなど「住み心地(感情的価値)」 駅からの距離、利回り、キャッシュフローなど「収益性(論理的価値)」

【FP相談実録】「良かれと思って…」広めの部屋を選んで苦しむAさんの告白

先日、50代の会社員Aさんが深刻な顔で相談に来られました。彼は10年前に「広い部屋なら入居者も長く住んでくれるだろう」と考え、6,000万円の2LDKマンションをローンで購入しました。

「最初の家族は10年住んでくれたんです。そこまでは良かった。しかし、退去後の部屋は傷だらけ。次の入居者を見つけるために200万円かけてリフォームしましたが、家賃は1万円下げざるを得ませんでした。さらに、いざ売却しようと査定に出したら、不動産会社から『このままでは売れませんね。キッチンとお風呂を最新のものにリフォームしないと、今の新築マンションと比較されて見向きもされませんよ』と言われ…。追加で500万円のリフォーム費用がかかると。もう、どうしたらいいか…」

Aさんの失敗の本質は、「投資」のつもりで始めたのに、いつの間にか「マイホーム市場」という、プロの住宅デベロッパーがひしめく土俵で戦うことになってしまった点にあります。


出口戦略の罠:なぜファミリータイプは「投資として」売れないのか?

Aさんの事例は、ファミリータイプ投資の「出口戦略の罠」を象徴しています。

罠1:買い手(実需層)の厳しい目

マイホームを探す家族は、人生で一番大きな買い物をしようとしています。彼らは、あなたの「中古の投資物件」を、近隣で売り出されている「ピカピカの新築マンション」や「お洒落にリノベーションされた物件」と徹底的に比較します。少しでも古さや使い勝手の悪さを感じれば、容赦なく選択肢から外されてしまいます。

罠2:高額なリフォーム費用のジレンマ

彼らに選んでもらうためには、数百万円単位の費用をかけて、キッチンやバスルームを最新のものに入れ替えるなど、魅力的なリフォームが必須になります。しかし、そんなことをすれば投資利回りは一気に悪化し、何のために投資をしたのか分からなくなります。「売るためには利益を削るしかない」というジレンマに陥るのです。

一方、ワンルームの出口戦略は…

ワンルームの買い手は、次の投資家です。彼らが見るのは「利回り」という数字です。現在、いくらの家賃で貸せていて、それが周辺相場と比べて妥当か。感情ではなく、事業計画書のような「数字」で会話ができるため、取引は非常にスムーズです。大規模なリフォームも不要で、原状回復レベルで十分に売買が成立します。


よくある質問(Q&A)

Q. でも、ファミリーの入居者は長く住んでくれるので、安定しているのでは?

A. その通りで、入居期間が長いのはメリットです。しかし、その裏返しとして、一度退去した後のダメージ(経年劣化)は大きく、原状回復費用が高額になります。また、広い部屋は借り手が限定されるため、次の入居者が決まるまでの空室期間も長引く傾向にあります。1年間の空室で、数年分の利益が吹き飛ぶことも珍しくありません。

Q. 将来、自分が住むことを考えてファミリータイプを買うのはアリですか?

A. それは「投資」ではなく、「マイホーム購入」です。目的が違うので、評価基準も全く異なります。もしご自身が住むのであれば、利回りなどは一切考えず、純粋に「住まい」としての価値(住環境、間取り、デザイン)で判断すべきです。「投資」と「マイホーム」の二兎を追うと、どちらも中途半端な結果に終わる可能性が高いので、目的は明確に分けましょう。

Q. ファミリータイプ投資で成功する例外的なケースはありますか?

A. ゼロではありません。例えば、安く仕入れた物件を自らお洒落にリノベーションして価値を上げ、高く売却する「リノベ再販」のプロ。あるいは、都心一等地の希少なヴィンテージマンションなど、特別な価値を持つ物件。これらは非常に高度な専門知識と資金力が求められ、一般的なサラリーマン投資家が再現できる手法ではないと、私は考えています。


まとめ:投資の土俵で戦うなら、投資家向けの商品を選べ

ファミリータイプ区分マンションが、住まいとして素晴らしい価値を持つことは間違いありません。しかし、こと「投資」という観点で見ると、あまりにも多くのワナが潜んでいます。

ファミリータイプ投資が難しい理由

  • 低利回り:物件価格が高すぎて、キャッシュフローが出にくい。
  • 出口戦略の困難さ:買い手が「感情で判断する一般家族」であり、新築など競合が強い。
  • 高額な維持・修繕費:退去時のリフォーム費用が経営を圧迫する。

あなたがこれから始めるのが「不動産投資」であるならば、選ぶべきは「投資家向けの金融商品」として最適化された物件です。それは、流動性が高く、キャッシュフローを計算でき、合理的な判断で売買できる「都心の中古ワンルームマンション」であると、3000人以上の相談に乗ってきたFPとして、強く結論付けます。

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