なぜ富裕層は一棟ではなく「都心の中古ワンルーム」を買い増すのか?実際の購入データと富裕層インタビューで検証

資産運用初心者向け

なぜ富裕層は一棟ではなく「都心の中古ワンルーム」を買い増すのか?

実際の購入データと富裕層インタビューで検証

不動産投資と聞くと、一棟アパートやマンション経営を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、資産運用のプロである富裕層、特に資産1億円以上を持つ層の多くは、異なる戦略を取っています。それが「都心の中古ワンルームマンション」への分散投資です。

なぜ彼らは、より大きなキャッシュフローを生み出しそうな一棟物件ではなく、区分マンションを複数所有する道を選ぶのでしょうか?

本記事では、富裕層への直接インタビューから見えた「リアルな本音」を交えながら、彼らが都心中古ワンルームを選ぶ5つの合理的な理由を、専門家の視点から詳しく解説していきます。


1. 分散 × 流動性──“出口戦略”から逆算した資産設計

富裕層が最も重視するポイントの一つが「リスク管理」と「資産の流動性」です。これは、投資の終わり、つまり「売却(出口戦略)」から逆算して考える、極めて合理的な資産設計と言えます。

リスクの分散:「卵は一つのカゴに盛るな」

一棟物件への投資は、全ての資産を一つのカゴに盛る行為に他なりません。空室、災害、価格下落といったリスクを、複数のエリア・物件に分けて所有することで最小化します。一室が空室になっても、他の物件がカバーしてくれるため、収入の安定性が格段に高まります。

【富裕層インタビュー】一棟投資の“悪夢”から私を救った「区分」という選択肢

「地方の一棟アパートで、入居者が一斉に退去した時は本当に血の気が引きました。家賃収入がゼロになる恐怖と、銀行返済のプレッシャー…。今は都心に区分を5戸持っていますが、1戸空室になっても精神的には比べ物にならないほど楽ですね。必要な時に1戸だけ売って納税資金に充てる、なんてこともできる。この“コントロールできる感”が、経営者としては何より大事です」

(IT企業経営者・54歳・A様)

高い流動性:必要な時に、必要な分だけ現金化できる強み

数億円規模の一棟物件と違い、都心中古ワンルームは数千万円単位で売買可能。買い手を見つけやすく、「急に現金が必要」「一部だけを贈与したい」といったニーズに柔軟に対応できます。この「売りやすさ」は、万が一の際の生命線となります。


2. 相続・贈与で評価圧縮できる仕組み

富裕層が不動産、特に都心の賃貸用ワンルームマンションを活用する大きな理由が「相続税対策」です。現金で1億円を持つ場合、評価額は1億円ですが、不動産に換えることで、その評価額を劇的に下げることができます。

「時価」と「相続税評価額」のギャップを利用する

  • 評価額の基本:土地は「路線価」(時価の約8割)、建物は「固定資産税評価額」(時価の約5~7割)で評価されます。これらの評価額は国税庁や各市町村が公開しており、誰でも確認できます。
  • 賃貸による追加圧縮:さらに、第三者に賃貸することで「貸家建付地」「貸家」となり、評価額がもう一段階下がります。

結果として、時価5,000万円の物件の相続税評価額が2,000万円程度になることもあり、スムーズな資産承継に絶大な効果を発揮します。

【富裕層インタビュー】子供たちに“争いの種”を残さないための資産圧縮術

「私の資産はほとんどが自社株と現金。このままでは、子供たちが相続する際に莫大な税金を払うか、会社を売るしかなくなる。そこで、生前から少しずつ都心の区分マンションに資産を移しています。これなら評価額を圧縮できるし、子供3人に1戸ずつ平等に渡せる。不動産という“現物”で渡せるので、揉め事も起きにくいと考えています」

(医療法人理事長・62歳・B様)


3. 減価償却を使ったキャッシュフロー最大化

「減価償却」は、税金をコントロールし、手元に残るキャッシュを最大化するための強力なツールです。特に高所得の富裕層にとって、このメリットは絶大です。

損益通算のカラクリ

減価償却費は、実際にお金が出ていかない「会計上の経費」です。この経費を計上して不動産所得を帳簿上赤字にし、その赤字を本業の給与所得と合算(損益通算)します。

すると、課税所得全体が圧縮され、納めすぎた所得税や住民税が還付されるのです。キャッシュフローはプラスなのに、税務上は赤字。これが賢い節税の仕組みです。

特に、法定耐用年数を超えた中古RC造(耐用年数47年)の物件は、9年という短い期間で償却できるため、単年あたりの節税効果が非常に大きくなります。


4. 手間とリスクを最小化する“管理アウトソース”

本業で多忙な富裕層は、自身の時間を最も重要な資源と考えます。都心の中古ワンルーム投資は、管理業務のほぼ全てを専門の賃貸管理会社へアウトソース(外部委託)できる点が、彼らの価値観に合致しています。

入居者募集から家賃集金、クレーム対応、退去手続きまで、煩わしい業務は全てプロに一任。オーナーは基本的に、毎月家賃が振り込まれるのを確認するだけ。手間をかけずに資産を形成できるこの仕組みは、多忙な方にとって最大のメリットの一つです。


5. 23区ワンルーム条例が生む希少価値

都心、特に東京23区でワンルームマンション投資が「堅い」と言われる背景には、行政の条例による強力な追い風があります。それが「ワンルームマンション条例」です。各区の公式サイトで詳細な規定が公開されています。

この条例は、最低専有面積の規定やファミリータイプ住戸の併設義務などにより、ワンルームマンションの新規建築を厳しく制限しています。

供給減 × 需要増 = 資産価値の上昇

都心への人口流入で賃貸需要は高いままなのに、新しい物件の供給は絞られている。この需給バランスの歪みが、既存の中古ワンルームの希少価値を高め、資産価値と家賃相場を安定させる大きな要因となっています。


6. 【ケーススタディ】年収別・購入シミュレーション

実際に都心の中古ワンルームを購入した場合、どのような効果が期待できるのか。年収別にシミュレーションを見てみましょう。

項目 Aさん (年収1,200万円) Bさん (年収2,000万円)
物件価格 3,000万円 4,500万円
年間家賃収入 120万円 180万円
税引前キャッシュフロー -7万円 -8万円
所得税・住民税の還付額 (概算) 約29万円 約57万円
実質年間収支 +22万円 +49万円

※上記は概算シミュレーションです。詳細は物件や個人の状況により異なります。

手出しのキャッシュフローはマイナスでも、損益通算による税金の還付を合わせると、実質の年間収支はプラスに転じます。高所得であるほど節税効果が高く、より大きなメリットを享受できるのです。

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7. 2024-25税制改正と今後の注意点

最後に、今後の注意点として最新の税制改正について触れておきます。特に相続税対策を目的としている方は、必ず知っておくべき重要な変更です。

注意:2024年からの相続税評価額ルール変更

いわゆる「タワマン節税」の行き過ぎを是正するため、2024年1月1日以降の相続から、マンションの相続税評価額の新しい算定ルールが導入されました。

従来の評価額が、市場価格(時価)の60%未満の場合に、その乖離を埋めるための補正が行われる可能性があります。

この改正により節税効果は以前より薄まる可能性がありますが、優位性が完全になくなったわけではありません。依然として現金より有利な点は変わらず、専門家と相談しながら個別の物件ごとに影響をシミュレーションすることが、これまで以上に重要になります。


よくある質問(Q&A)

Q. 都心中古ワンルームの具体的な利回りはどのくらいですか?

A. 表面利回り(年間家賃収入÷物件価格)は、都心部の築浅中古で3.5%~4.5%程度が一般的です。一見低いですが、本記事で解説した「節税効果」や「資産価値の安定性」を考慮した実質的なリターンは、数字以上に高くなるケースがほとんどです。高利回りだけを追い求め地方の物件に手を出すと、空室や家賃下落のリスクで、かえって損をすることもあります。

Q. 複数所有する場合、融資(ローン)はどのように受けますか?

A. 金融機関は、個人の属性(年収、勤務先、金融資産など)と、購入物件の収益性・担保価値を総合的に評価します。1戸目で安定した運用実績を示すことができれば、2戸目、3戸目の融資は比較的スムーズに進むことが多いです。複数の金融機関と付き合いのある、経験豊富な不動産会社の担当者と提携することが、融資戦略の鍵を握ります。

Q. 法人化して物件を所有するメリットは何ですか?

A. 個人の所得税・住民税の最高税率が55%なのに対し、法人税の実効税率は約30%台です。個人の所得が高い方(年収2,000万円超が目安)は、法人を設立して物件を所有した方が、税率の差で手元に残るキャッシュを増やせる可能性があります。また、経費として認められる範囲が広がる、役員報酬として家族に所得を分散できるといったメリットもあります。ただし、設立・維持コストがかかるため、所有規模に応じた慎重な判断が必要です。


8. まとめ・編集後記:一棟と区分の“正しい使い分け”

この記事では、富裕層がなぜ「都心の中古ワンルーム」を買い増すのか、その理由を多角的に解説してきました。

まとめ:富裕層が都心中古ワンルームを選ぶ理由

  • リスク分散と流動性:資産を守り、必要な時に現金化できる安定性。
  • 相続・贈与対策:資産価値を圧縮し、円滑な次世代への承継を実現。
  • 節税とキャッシュフロー:減価償却を利用し、手元に残るお金を最大化。
  • 管理の手軽さ:専門家へのアウトソースで、時間と手間を最小化。
  • 希少価値:行政の規制により、将来にわたる資産価値の安定が期待できる。

重要なのは、「一棟」と「区分」のどちらが優れているかではなく、投資家の目的や資産状況に応じた「使い分け」です。築き上げた資産を守りながら、安定的に運用し、次世代へ賢く承継したいと考える富裕層にとって、都心の中古ワンルームは極めて合理的な選択と言えるでしょう。

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