VYM, SCHD, 1489…人気の高配当ETFを徹底比較。配当金生活を目指す前に知るべき「本当の戦略」とは?
「配当金で生活したいけど、どの高配当ETFを選べばいいか分からない…」
「人気のVYMやSCHD、日本の高配当ETFとの違いは?」
FIREや不労所得を目指す上で、魅力的に映る「高配当ETF」。しかし、種類が多く、それぞれの特徴も複雑で、何から手をつければいいか迷っていませんか?
FPとして数多くの相談を受ける中で、「とりあえず高配当ETFを積み立てる」という選択が、必ずしも最適解ではないケースも見てきました。
この記事では、日米の代表的な高配当ETFを徹底比較し、それぞれのメリット・デメリットを明確にした上で、あなたの投資スタイルに合ったETFの選び方を解説します。
さらに、多くの人が見落としがちな「高配当ETFとの最適な付き合い方」まで踏み込んでお伝えします。この記事を読めば、もう銘柄選びで迷うことはありません。
この記事の内容は、以下の動画でも詳しく解説しています!
そもそもETFって何?投資信託との違い
具体的な銘柄を見る前に、基本をおさらいしましょう。ETF(上場投資信託)とは、一言で言えば「株式市場でリアルタイムに売買できる、便利な株式詰め合わせパック」です。
たくさんの会社の株に分散投資したい時、一社ずつ買うのは大変ですよね。そこで生まれたのが、1つの商品を買うだけで数十〜数百社に分散投資できる「投資信託」です。
ETFは、その投資信託の便利さと、個別株のように市場が開いている間はいつでも好きな価格で売買できる機動性を兼ね備えた、まさに「いいとこ取り」の商品なのです。
【徹底比較】日米の主要な高配当ETF番付
それでは、日本と米国の代表的な高配当ETFを見ていきましょう。それぞれに異なる特徴と強みがあります。

※経費率や利回りは変動します。最新の情報は各運用会社のサイトでご確認ください。
🇯🇵 日本の高配当ETF
日本のETFは、為替リスクを気にせず投資できるのが最大のメリットです。ただし、米国ETFに比べて信託報酬(手数料)がやや高めな点には注意が必要です。
NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信 (1489)
特徴:とにかく日本の高配当株を幅広く集めた、「THE・高配当」なETF。直近の配当利回りを重視する方向けです。
iシェアーズ・コア 日本高配当株 ETF (1478)
特徴:高い配当利回りに加え、企業の「財務健全性」も重視しています。配当が突然減ってしまう「減配」のリスクを抑えたい、安定志向の方向けです。
🇺🇸 米国の高配当ETF
米国ETFの魅力は、なんといっても信託報酬の安さです。世界経済の中心である米国企業に、低コストで分散投資できます。
バンガード・米国高配当株式ETF (VYM)
特徴:高配当ETFの「王道中の王道」。迷ったらまずコレ、と言われるほどバランスの取れた万人向けの1本です。
Schwab 米国配当株式ETF (SCHD)
特徴:配当利回りに加え、「10年以上の連続増配実績」も条件に加えています。将来的に配当が増えていくことを期待する「配当成長」を重視する人から絶大な人気を誇ります。
iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF (HDV)
特徴:生活必需品やヘルスケアなど、景気の影響を受けにくい「ディフェンシブ」な業種が中心。減配リスクを抑え、とにかく安定感を求める人向けです。
SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF (SPYD)
特徴:S&P500構成銘柄のうち、配当利回りがトップクラスの約80銘柄に集中投資。とにかく現在の利回りを最大化したい人向けですが、その分、景気変動による減配リスクも高めです。
【FPの結論】高配当ETFは「いつ、どうやって」買うべきか?
ここまで各ETFの特徴を見てきましたが、ここで最も重要な話をします。それは、「高配当ETFは、あなたの投資の目的とステージに合っていますか?」という問いです。
私の結論を率直に言うと、資産をこれから大きくしていきたい20代〜40代の資産形成期の方には、高配当ETFの積立は必ずしもお勧めしません。
by まさとFP
なぜなら、資産形成期の一番の目的は「資産総額を最大化すること」だからです。
過去の実績を見れば、配当金を再投資する高配当ETFよりも、S&P500や全世界株式(オルカン)といった市場全体の成長を取り込むインデックスファンドの方が、長期的なトータルリターンは高くなる傾向にあります。
高配当ETFが真価を発揮するステージとは?
では、高配当ETFはいつ買うべきなのか?
それは、資産形成期を終え、FIRE(早期リタイア)や老後が見えてきた「資産活用期」です。
インデックスファンドで十分に資産を大きくした後、その一部を安定した配当金を生み出す高配当ETFに切り替えていく。これにより、株価の変動に一喜一憂することなく、安定したキャッシュフロー(不労所得)を得ながら生活する、という理想的な形が作れます。
つまり、高配当ETFは、
- 資産を「増やす」ためのメインエンジンではなく、
- 増やした資産を「安定的に使う」ための仕組みである
と考えるのが、王道の戦略と言えるでしょう。
まとめ:自分の目的に合ったETFを選び、最適なタイミングで活用しよう
最後に、この記事の要点をまとめます。
- 高配当ETFには日米それぞれに特徴があり、利回り、安定性、成長性など、何を重視するかで選ぶべき銘柄が変わる。
- 手数料(信託報酬)は、長期的なリターンに大きく影響するため、米国ETFに優位性がある。
- 最も重要なのは、高配当ETFが自分の投資ステージに合っているか。資産形成期はインデックスファンドを優先し、資産活用期に高配当ETFへ切り替えるのが王道戦略。
流行りや目先の利回りに惑わされず、自分のライフプランと目的に合った商品と戦略を選ぶこと。それが、長期的な資産形成を成功させるための鍵です。
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赤坂ファイナンシャル株式会社 代表取締役
元大手企業勤務、3,000人以上の相談実績と著書『地味な投資で2000万円』を持つお金のプロ。ファイナンシャルプランナー、クレジットカードアドバイザー®として、難しい金融の話を初心者向けにわかりやすく解説しています。
主な実績
著書:『自由に生きるための 地味な投資で2000万円』
メディア出演:テレビ朝日「グッド!モーニング」、週刊SPA!、現代ビジネス、プレジデントオンライン等 多数
講演実績:一部上場企業、経営者団体など