日本人のマネーリテラシーは致命的に低い【世界から取り残される日本人】

マネーリテラシー






【2025年最新】なぜ日本人はお金に疎い?FPが解き明かす歴史的背景と新NISA時代の資産防衛術


【2025年最新】なぜ日本人はお金に疎い?
FPが解き明かす歴史的背景と新NISA時代の資産防衛術

こんにちは。
FP(ファイナンシャルプランナー)の会社を経営している者です。

日々、本当に多くの方からお金のご相談をいただきます。その中で、ずっと感じていることがあります。

それは…、

日本人のマネーリテラシーは、先進国の中でも決して高くない

という、厳しい現実です。

「投資」と聞いただけで、「怖い」「怪しい」「自分には関係ない」と、シャッターを下ろしてしまう方がいる一方で、「新NISAを始めました!」「iDeCoも満額やっています」と、積極的に資産運用に取り組む方もいます。

この差は、一体どこから生まれるのでしょうか?

実は、私たち日本人が持つお金への苦手意識には、歴史的な背景が深く関係しています。この記事では、その根深い原因を紐解き、これからの時代を生き抜くための新しいお金の常識をお伝えします。

原因① お金儲けは“悪”? 江戸時代から続くお金のイメージ

「江戸時代なんて、遠い昔の話でしょ?」 そう思うかもしれません。

しかし、江戸時代が終わったのは1868年。わずか150年ほど前のことです。

私たちの祖父母の、そのまた祖父母の世代。価値観が現代に受け継がれていても、何ら不思議はありません。

かつて「士農工商」という言葉がありました。(現在では、厳格な身分制度ではなかったという説が有力です)

この言葉が象徴するように、当時は武士が尊ばれ、お金を稼ぐ商人はどこか「卑しい」と見られる風潮がありました。

「あくどい商売で儲けているに違いない」
「金儲けの話ばかりするのは品がない」

こうしたイメージが、無意識のうちにお金や投資に対してネガティブな感情を抱かせる一因になっているのです。

時の為政者にとっても、民衆の不満が自分たちに向かわず、豊かな商人へ向かうのは都合が良かったのかもしれません。

原因②「貯金は正義」は過去の話。戦後に作られた価値観のワナ

日本人の「貯金好き」は有名ですが、実はこの価値観も、比較的新しい時代に作られたものです。

きっかけは、第二次世界大戦後の急激なインフレーション(物価上昇)でした。

戦時中の貯蓄を奨励するポスター
出典:NHKアーカイブス

戦後はモノ不足で、物の値段がどんどん上がっていく時代。このままでは経済が破綻してしまうため、政府は国民の消費を抑える必要がありました。

そこで展開されたのが「救国貯蓄運動」です。「欲しがりません勝つまでは」というスローガンのもと、国を挙げて貯蓄を奨励したのです。

この政策は功を奏し、経済の安定に繋がりました。しかし、その一方で「貯金は美徳」「投資は悪」という価値観を、私たち日本人に強く刷り込む結果となったのです。

【危険】その価値観、2025年には通用しないかもしれません

江戸時代から続く「お金儲け=悪」というイメージ。戦後に作られた「貯金=善」という神話。これらの古い価値観は、現代の経済状況とは全くマッチしていません。

なぜなら、私たちは再び「インフレ」の時代を生きているからです。

  • 食料品やガソリンの値上げ
  • 光熱費の上昇
  • 円安による輸入品の価格高騰

これらを肌で感じている方も多いでしょう。例えば、物価が年間2%上昇するとどうなるか?

今持っている100万円の価値は、1年後には実質98万円に目減りしてしまいます。

銀行に預けていても、金利はほぼ0%。
「貯金だけ」では、あなたのお金は静かに価値を失い続けているのです。

【脱・お金オンチ】今日から始めるマネーリテラシー向上3ステップ

「じゃあ、どうすればいいの?」
大丈夫です。歴史的な刷り込みに気づけた今が、スタートラインです。

お金は、人格と結びつけるものではなく、人生を豊かにするための「道具」です。道具を使いこなすための、具体的な3つのステップをご紹介します。

  1. ステップ①:まずは「知る」ことから

    いきなり投資を始める必要はありません。まずは、2024年から始まった新しいNISA(新NISA)について調べてみましょう。「国がなぜ、これほど手厚い非課税制度を用意したのか?」その背景を考えると、”貯蓄から投資へ”という国からの強いメッセージが見えてくるはずです。

  2. ステップ②:家計を「見える化」する

    家計簿アプリなどを使い、毎月何にいくら使っているのか、どれくらい貯金や投資に回せるのかを把握しましょう。現状把握が、全ての基本です。

  3. ステップ③:月々1,000円から「体験」してみる

    新NISAなら、月々1,000円といった少額から投資を体験できます。まずは失っても生活に影響のない範囲で始めてみましょう。自分のお金が社会や経済と繋がっている感覚は、ニュースの見方さえ変えてくれます。

まとめ:古い価値観を脱ぎ捨て、新しい時代の資産防衛を

日本人のマネーリテラシーが低い背景には、

  • 江戸時代:「お金儲けは卑しい」という風潮
  • 戦後:「貯金こそが美徳」という国のキャンペーン

という、根深い歴史がありました。

しかし、その価値観のままでは、インフレが進む現代でお金を守り、増やしていくことは困難です。

お金に対する古いイメージを脱ぎ捨て、正しい知識を身につける。そして、小さくてもいいから行動を起こすこと。それが、これからの時代を豊かに生きるための、何より大切な「資産防衛術」です。

この記事が、あなたが一歩踏み出すきっかけになれば幸いです。