「購入後すぐに家賃収入が得られる」という魅力的な謳い文句で、不動産投資の初心者にも人気のオーナーチェンジ物件。しかし、その手軽さの裏には、知らずに飛びつくと資産を失いかねない”罠”が数多く潜んでいます。
こんにちは、これまで3,000人以上の資産形成をサポートしてきたFPのまさとです。私の経験上、不動産投資で失敗する方の多くが、このオーナーチェンジ物件の危険なサインを見逃しています。
この記事では、あなたが「買ってはいけない物件」を確実に見抜けるよう、プロが実践している7つのチェックポイントを、具体的な事例と共に徹底解説します。
そもそもオーナーチェンジ物件とは?
オーナーチェンジ物件とは、すでに入居者がいる状態のまま、物件の所有者(オーナー)だけが変わる(チェンジする)物件のことです。投資用物件として売買されるケースがほとんどです。
購入する側にはメリットも多いですが、その裏返しがデメリット(罠)になることをまず理解しましょう。
メリット
- 即、家賃収入: 購入直後から家賃収入が発生し、ローン返済に充てられる。
- 利回り計算が容易: 実際の家賃収入に基づき、正確な利回りを把握できる。
- 手間が少ない: 入居者募集の手間や広告費、空室期間のリフォーム費用が不要。
デメリット(罠の温床)
- 室内を直接確認できない: 入居者がいるため、購入前に部屋の中を見ることができない。
- 入居者を選べない: 現在の入居者をそのまま引き継ぐ必要がある。
- 契約内容の自由度が低い: 家賃や契約条件をすぐに変更することは難しい。
購入前に見抜け!危険な7つのサイン
サイン1:相場より家賃が高すぎる
高利回りを装うための、最も古典的で悪質な手口です。現在の入居者にだけ、相場より著しく高い家賃を支払わせているケースがあります。
罠の正体: この入居者が退去した途端、次の入居者は相場通りの家賃でしか決まらず、利回りが大幅に悪化します。売主が知人を入居させて高家賃を偽装する「サクラ」や、家賃保証があるサブリース契約であることも。
FPの相談事例:利回り9%の罠
「都内で利回り9%の優良物件です!」と相談に来られたAさん。しかし、周辺の家賃相場を調べると、その物件だけ2万円も高かったのです。詳しく調べると、売主である不動産会社がサブリース契約を結び、最初の2年間だけ高い家賃を保証して利回りを良く見せていただけでした。保証が切れた後の実質利回りは5%台にまで下がる計算でした。
【対策】ポータルサイトで周辺の同等物件の家賃を最低5件は調べ、相場とかけ離れていないか必ず確認する。これが将来の空室リスクを9割減らすための物件選びの第一歩です。
サイン2:入居者の情報に”違和感”がある
入居者の契約内容や属性は、将来の安定経営を左右する重要な要素です。ここに違和感がある物件は要注意です。
罠の正体:
- 入居期間が短すぎる(1年未満など): 騒音、水漏れ、近隣トラブルなど、人が定着しない何らかの問題を抱えている可能性。
- 入居期間が長すぎる(15年以上など): 家賃が現在の相場より安く設定されている「逆ザヤ」状態や、高齢入居者の孤独死リスク。
- 契約形態が「法人契約」: 社宅利用の場合、景気の変動で急に解約になるリスクがある。
【対策】賃貸借契約書の原本と、入居者情報がまとめられた「レントロール」を入手し、入居日、契約期間、家賃、契約者の属性(個人/法人)を隅々まで確認する。現在の入居者の状況が、将来の出口戦略(売却)にどう影響するかも考えておきましょう。
サイン3:レントロールの情報が不十分・不自然
レントロール(家賃台帳)は、物件の収益性を判断する最重要書類です。ここの情報開示を渋ったり、不自然な点があったりする場合は危険です。
罠の正体: 実際の空室を隠して満室であるかのように偽装したり、意図的に古い情報を提示して滞納の事実を隠したりするケースがあります。情報の透明性が低い物件は、必ず裏があります。
【対策】最新のレントロールの提出を求め、賃貸借契約書と照らし合わせます。空室期間や滞納履歴など、少しでも不審な点があれば徹底的に質問しましょう。
サイン4:共用部の管理状態が悪い
エントランスや廊下、ゴミ置き場などの共用部は、マンションの管理レベルを示す鏡です。ここが荒れている物件は、将来の資産価値が下落する可能性が高いです。
罠の正体: 管理状態が悪いのは、管理組合が正常に機能していない、あるいは住民のモラルが低い証拠です。放置すれば建物の劣化が早まり、空室の増加や資産価値の下落に直結します。
【対策】必ず現地に足を運び、共用部が清潔に保たれているか、掲示板は整理されているか、放置自転車などがないかを自分の目で確認します。良い物件は良い賃貸管理会社によって支えられていることが多いです。
サイン5:修繕積立金が極端に少ない・滞納が多い
将来の大規模修繕に備える修繕積立金は、マンションの維持に不可欠です。この積立金が計画通りに貯まっていない物件は、将来大きな負担を強いられます。
罠の正体: 購入後、不足分を補うために修繕積立金が大幅に値上げされたり、数十万円単位の一時金を請求されたりするリスクがあります。利回りが高く見えても、予期せぬ出費で赤字転落しかねません。
【対策】「長期修繕計画書」と「重要事項調査報告書」を入手し、計画に対する積立金の進捗状況と、滞納額が全体の10%を超えていないかを確認します。この点については管理費・修繕積立金の値上がりリスクとして別記事で詳しく解説しています。
サイン6:安易な「瑕疵担保責任免責」
「瑕疵担保責任(契約不適合責任)は免責とします」という特約は、非常に危険なサインです。売主が物件の重大な欠陥を知りながら、責任を逃れようとしている可能性があります。
罠の正体: 購入後に雨漏りやシロアリ被害、給排水管の故障といった重大な欠陥(瑕疵)が見つかっても、修繕費用を売主に請求できず、すべて自己負担となります。中には違法建築や既存不適格物件といった法的な問題が隠れているケースもあるため、特に注意が必要です。
【対策】原則として「瑕疵担保責任免責」の物件は避けるべきです。もし検討するなら、ホームインスペクション(住宅診断)を自費で行い、専門家の目で欠陥がないか徹底的に調べることが必須です。
サイン7:売主が不自然に売却を急いでいる
「すぐに買い手が付く」「早くしないと他に取られる」などと、やたらと契約を急がせる売主や仲介業者には注意が必要です。
罠の正体: こちらに十分な調査をさせないまま契約させることで、物件の不利な情報(近隣トラブル、心理的瑕疵など)を隠そうとしている可能性があります。
【対策】どんなに良い物件に見えても、焦って契約してはいけません。このような悪質な業者を避けるためにも、事前に失敗しない不動産会社の選び方を学んでおくことが最大の防御策になります。
FPが回答!オーナーチェンジ物件Q&A
室内が見れないのがどうしても不安です。何か良い方法はありますか?
A. 完全に不安を払拭するのは難しいですが、リスクを低減する方法はあります。まず、同じマンションの他の空室(同じ間取りタイプ)を見せてもらうことです。これにより、部屋の構造や大まかな雰囲気は掴めます。また、前のオーナーがリフォームしている可能性もあるため、リフォーム履歴や図面を取り寄せ、どんな設備が入っているかを確認することも重要です。退去後の原状回復やリフォームまで含めた中古ワンルーム購入後の流れを事前にイメージしておくと、より安心です。
危険なサインをいくつか見つけました。この物件は諦めるべきでしょうか?
A. 即決で諦める前に、「価格交渉の材料にできるか」を考えてみましょう。例えば、「修繕積立金が少ないので、将来の負担分として50万円値引きしてほしい」といった具体的な交渉が可能です。ただし、家賃滞納や近隣トラブルなど、お金で解決できない問題や、根本的な欠陥が見つかった場合は、潔く見送るのが賢明です。
まとめ:オーナーチェンジ物件は”情報戦”!罠を避けて優良物件を掴もう
オーナーチェンジ物件は、魅力的な反面、多くの罠が仕掛けられています。成功の鍵は、利回りという表面的な数字に惑わされず、その裏側にある情報をどれだけ深く読み解けるかにかかっています。
7つの危険なサイン(再確認)
- 相場より家賃が高すぎる
- 入居者の情報に違和感がある
- レントロールの情報が不十分・不自然
- 共用部の管理状態が悪い
- 修繕積立金が極端に少ない
- 安易な「瑕疵担保責任免責」
- 売主が不自然に売却を急いでいる
これらのサインを一つひとつ丁寧にチェックすることで、リスクを大幅に減らすことができます。物件資料の精査、現地調査、そして専門家への相談。これらを怠らず、慎重に判断することが、不動産投資で成功するための絶対条件です。そして、良い物件を見極める目と同じくらい、不動産投資ローンを組む際の知識も成功には不可欠です。
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赤坂ファイナンシャル株式会社 代表取締役
元大手企業勤務、3,000人以上の相談実績と著書『地味な投資で2000万円』を持つお金のプロ。ファイナンシャルプランナー、クレジットカードアドバイザー®として、難しい金融の話を初心者向けにわかりやすく解説しています。
主な実績
著書:『自由に生きるための 地味な投資で2000万円』
メディア出演:テレビ朝日「グッド!モーニング」、週刊SPA!、現代ビジネス、プレジデントオンライン等 多数
講演実績:一部上場企業、経営者団体など