後悔しない物件選びのための「客観的な判断材料」を完全提供
こんにちは。3000人以上の資産相談に乗ってきたFPのまさとです。不動産投資を始めようと決意した方が、必ず最初にぶつかる最大の分岐点、それが「新築か、中古か」という問題です。
新築の綺麗さや安心感は魅力的ですし、中古の価格的な手頃さも捨てがたい。ネットや書籍には「新築はダメだ」「中古は危険だ」といった両極端な意見が溢れ、一体何を信じればいいのか分からなくなっていませんか?
FPとしてまずお伝えしたいのは、「万人にとっての絶対的な正解はない」ということです。重要なのは、それぞれの特性を正しく理解し、ご自身の目的と照らし合わせて判断すること。この記事では、あなたが最適な判断を下すための「客観的な判断材料」を、余すことなく提供します。
【5つの指標で徹底比較】メリット・デメリット一覧表
まずは全体像を把握するために、5つの重要な指標で新築と中古を比較してみましょう。どちらが良い・悪いではなく、それぞれの「個性」として捉えるのがポイントです。
比較項目 | 新築ワンルーム | 中古ワンルーム |
---|---|---|
① キャッシュフロー | 【弱み】価格が高く、月次収支は赤字になりやすい。 【強み】大きな赤字は高所得者の節税対策として機能する。 |
【強み】価格が手頃で、月次収支を黒字化しやすい。 【弱み】節税インパクトは新築に劣る場合がある。 |
② 資産価値の推移 | 【弱み】「新築プレミアム」が剥がれ、購入直後に価値が急落。 【強み】最新設備は最初の入居者にアピールしやすい。 |
【強み】価格下落が緩やかで価値が安定している。 【弱み】建物の老朽化による価値下落リスクがある。 |
③ 減価償却と節税 | 【強み】建物価格の割合が高く、長期で安定した節税効果を期待できる。 【弱み】単年での節税インパクトは弱い。 |
【強み】短期で大きく償却でき、初年度の節税効果は絶大。 【弱み】償却期間が終わると節税効果も終わる。 |
④ 金融機関の融資 | 【強み】担保価値が高く、低金利・フルローン等の好条件で融資を受けやすい。 【弱み】借入額が大きくなる。 |
【弱み】築年数により融資条件が厳しくなることがある。 【強み】借入額が少なく、総返済額を抑えられる。 |
⑤ 出口戦略(売却) | 【弱み】短期売却は、ほぼ確実に購入価格を下回る。 【強み】長期保有後、実需層(自分で住む人)への売却も視野に。 |
【強み】投資家間の市場が活発で、流動性が高い。売却益も狙える。 【弱み】経済情勢に売却価格が左右されやすい。 |
【詳細解説】5つの指標から見る違い
① キャッシュフローについて
新築は販売価格にデベロッパーの利益等が上乗せされるため、物件価格が割高です。そのため、家賃収入の大半がローン返済に充てられ、毎月の収支は赤字(持ち出し)になることが少なくありません。一方、中古は市場価格で取引されるため、新築と同等の家賃が取れる物件を安く購入でき、キャッシュフローをプラスにしやすいという大きな利点があります。
② 資産価値の推移について
「新築プレミアム」が乗っている新築物件は、購入された瞬間に「中古物件」となり、プレミアム分(2~3割)の価値が下落します。これは新車が中古車になった瞬間に価値が落ちるのと同じです。対して、中古物件は既にその価格下落を経験しており、価値の変動が緩やかです。特に都心部の需要が高いエリアでは、築年数が経っても価値が下がりにくく、時には上昇することさえあります。
③ 減価償却と節税について
節税効果は「減価償却費」の大きさで決まります。新築は耐用年数が長いため、毎年計上できる減価償却費は少なくなります。一方、中古、特に法定耐用年数(RC造で47年)を超えた物件などは、短い期間で償却できるため、単年の減価償却費が大きくなり、所得税・住民税の還付額も増える傾向にあります。短期的な節税効果を狙うなら中古が有利と言えます。
④ 金融機関の融資について
金融機関は、画一的で評価がしやすい新築物件を高く評価する傾向があり、融資審査は通りやすいです。これが新築の明確なメリットです。しかし、中古であっても、資産価値の高い都心部の物件であれば、金融機関はきちんと評価してくれます。経験豊富な不動産会社を通じて、適切な金融機関にアプローチすれば、好条件の融資を引き出すことは十分に可能です。
⑤ 出口戦略(売却)について
投資である以上、最終的に売却して利益を確定させる「出口戦略」は極めて重要です。購入価格が高い新築は、短期で売却するとほぼ確実に損失が出ます。一方、中古は適正価格で購入しているため、市況が良ければ購入時より高く売れる可能性も十分にあります。次に購入するのも主に投資家であるため、市場が大きく、売りやすいという流動性の高さも魅力です。
あなたの目的はどれ?【タイプ別】おすすめの選び方
この比較からわかる通り、どちらが一方的に優れているわけではありません。あなたの投資目的によって、最適な選択は変わってきます。
タイプ1:節税と長期安定を重視する「高所得者・多忙な医師や経営者」
主な目的:本業の所得を圧縮したい。手間をかけずに長期で運用したい。
FPの視点:このタイプの方は、新築ワンルームが選択肢に入ります。毎月の赤字は「節税のためのコスト」と割り切り、融資の受けやすさや最新設備による管理の手軽さを優先する戦略です。出口での価格下落リスクを許容できる資金力があることが前提となります。
タイプ2:手堅くキャッシュフローを積み上げたい「安定志向のサラリーマン」
主な目的:給料以外の収入源を確保したい。毎月の持ち出しは極力避けたい。
FPの視点:このタイプの方には、中古ワンルームを推奨します。まずは月々の収支をプラスにし、精神的な余裕を持つことが最優先。安定したキャッシュフローは、次の投資への自信と原資になります。初心者が最初に目指すべき王道のスタイルです。
タイプ3:将来の「じぶん年金」を着実に作りたい「長期保有派」
主な目的:定年後の収入源を、時間をかけて安全に作りたい。
FPの視点:資産価値が落ちにくい都心の中古ワンルームが最適解に近いでしょう。安定した家賃収入でローンを返済し、完済後はそのまま年金として受け取る。この戦略において、購入時の価格が安い中古物件は非常に有利に働きます。
【補足解説】目的によって選択肢は変わる
ご覧の通り、あなたの置かれた状況や「何のために投資をするのか?」という目的意識によって、新築と中古の評価は全く変わってきます。例えば、新築は「節税」という即物的なメリットを、将来の資産価値下落リスクと引き換えに得る戦略と言えます。一方、中古は「キャッシュフロー」と「資産価値の安定」という、不動産投資の本質的なメリットを堅実に追求する戦略です。どちらが優れているかではなく、どちらがあなたの価値観に合っているか、という視点を持つことが重要です。
【FP相談実録】目的が違えば選択も変わる。A医師とB課長の事例
「どちらが正解か」ではなく、「どちらが自分に合っていたか」。実際の相談事例から、その違いを感じてみてください。
事例1:節税を選んだA医師(45歳・年収3,000万円)
「A医師は、高い所得税率に悩んでいました。そこで、節税効果を最大化するために都心の新築ワンルームを2戸購入。シミュレーション通り毎月5万円の赤字ですが、法人での役員社宅扱いなども活用し、年間で150万円以上の税負担を軽減。『キャッシュフローは最初から期待していません。これは将来への貯蓄と、今を乗り切るための節税コスト。私にとっては合理的な選択です』と、非常に満足されています」
事例2:キャッシュフローを選んだB課長(42歳・年収700万円)
「B課長の目的は、あくまで『給与以外の安定収入』でした。そこで、築12年の中古ワンルームを2,600万円で購入。丁寧な指値交渉の結果、月々1万円の黒字化に成功しました。『派手さはないですが、毎月確実に通帳にお金が増えていくのが嬉しい。この安心感を得られただけでも、投資した価値がありました』と、堅実な資産形成に手応えを感じています」
よくある質問(Q&A)
Q. 結局のところ、初心者はどちらから始めるべきですか?
A. 私がFPとしてアドバイスする場合、もし明確な目的がないのであれば、まずはキャッシュフローが出やすく、投資額も少ない「中古」から始めることをお勧めします。小さな成功体験を積み、不動産賃貸業に慣れることが、長く続ける秘訣だからです。その上で、ご自身の投資スタイルが確立すれば、新築という選択肢を検討するのも良いでしょう。
Q. 新築を勧める営業マンと、中古を勧める営業マン、なぜ言うことが違うのですか?
A. それぞれのビジネスモデルが違うからです。新築業者は自社(または提携先)の物件を売るのが仕事で、利益率も高く設定されています。中古業者は市場にある無数の物件から、顧客に合ったものを探すのが仕事です。どちらが良い悪いではなく、彼らの立場を理解した上で、「この提案は、自分の目的に合っているか?」という視点で冷静に判断することが大切です。
Q. 物件選びで、新築・中古に関わらず共通して重要なことは何ですか?
A. それは、ただ一つ「立地」です。どんなに新しくても、どんなに利回りが高く見えても、10年後、20年後に人が住みたいと思わない場所の物件は絶対に買ってはいけません。人口が維持・増加し、賃貸需要が底堅い都心の一等地であること。これが、新築・中古のデメリットを凌駕する、最大の成功要因です。
まとめ:最適な選択は「物件のスペック」ではなく「あなた自身の目的」の中にある
新築と中古、それぞれの特徴をご理解いただけたでしょうか。この記事で最も伝えたかったのは、「新築か中古か」という問いの答えは、物件のスペック比較だけでは見つからない、ということです。
後悔しないための3ステップ
- 自分の目的を明確にする:「なぜ不動産投資をするのか?(節税・キャッシュフロー・年金など)」を自問する。
- 目的に合ったタイプを選ぶ:この記事を参考に、新築・中古どちらが自分の目的に合致しているか判断する。
- 目的を共有できる専門家を探す:自分の目的を理解し、達成のために伴走してくれる誠実なパートナーを見つける。
「綺麗なマンションが欲しい」という感情的な満足と、「将来のためのキャッシュフローが欲しい」という論理的な目的を明確に切り分けること。それが、あなたが後悔しない選択をするための、最も確実な第一歩です。
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赤坂ファイナンシャル株式会社 代表取締役
元大手企業勤務、3,000人以上の相談実績と著書『地味な投資で2000万円』を持つお金のプロ。ファイナンシャルプランナー、クレジットカードアドバイザー®として、難しい金融の話を初心者向けにわかりやすく解説しています。
主な実績
著書:『自由に生きるための 地味な投資で2000万円』
メディア出演:テレビ朝日「グッド!モーニング」、週刊SPA!、現代ビジネス、プレジデントオンライン等 多数
講演実績:一部上場企業、経営者団体など