【世代格差グラフ】なぜ昭和は“イージーゲーム”で、令和は“ハードモード”なのか？FPが徹底比較

「昔の常識」はもう通用しない。データで見る、私たちのライフプランが激変した本当の理由

昭和の“イージーゲーム”：社会全体があなたを支えてくれた時代

まず、私たちの親世代が経験してきた「昭和のライフプラン」を振り返ってみましょう。それは、2つの強力な社会システムに支えられた、非常に安定したものでした。

「1馬力」でも乗り切れたキャッシュフロー

この安定したシステムのもとでは、一家の主人が「1馬力」で働き、家族を養うのが標準モデルでした。

将来給料が上がるのが分かっているから、35年の住宅ローンも怖くない。会社の先輩を見れば、自分の明るい未来が想像できる。そんな将来への楽観的な見通しが、社会全体にありました。

令和の“ハードモード”：自己責任が問われるサバイバル時代

一方、現代の令和はどうでしょうか。昭和を支えた2つの柱は崩壊し、ライフプランは完全に「ハードモード」へと突入しました。

今の時代に「1馬力」で昭和と同じライフプランを送ろうとすれば、家計はあっという間に破綻します。結婚・出産・マイホーム購入といったイベントをこなすには、共働きが必須というのが、令和の常識です。

「一億総中流」から「二極化」の時代へ

かつて「一億総中流」と言われた日本の社会構造は、今や大きく変貌を遂げました。これまでは「2割がお金持ち、6割が中流、2割が貧しい」という安定したピラミッド構造でしたが、これからは「2割の資産家と、残りの8割」という完全な二極化時代に突入する可能性が非常に高いです。

昭和と令和の社会構造の変化イメージ

年功序列の賃金制度と安心できる年金制度が崩壊した今、私たちは自力で老後の資金を準備しなければ、生涯働き続けることになります。ほんの一握りのお金持ちだけが定年を迎え、悠々自適な生活を送れる。そんな厳しい現実が、すぐそこまで来ているのです。

なぜここまで状況は変わったのか？根本的な3つの理由

この劇的な変化の背景には、3つの根深い問題があります。

この「賃金は増えないのに、出ていくお金だけが増え続ける」というダブルパンチが、私たちの生活を苦しめている元凶なのです。

【FPの視点】「減税したら将来世代にツケが回る」は本当か？

ここで、多くの方が抱くであろう疑問に、FPとしてお答えします。

例えば消費税を減税すれば、国民の消費が活発になり、企業の業績が上がり、結果として賃金が上がり、国の税収も増える、という経済の好循環が生まれます。

「国の借金」の仕組みは家庭の借金とは全く異なり、経済成長をさせて税収を増やすことこそが、最も健全な財政再建なのです。このあたりの詳しい仕組みは非常に複雑ですが、「減税＝将来へのツケ」という短絡的な考え方は、一度リセットする必要があります。

まとめ：「令和のルール」を理解し、自分たちの世代の戦い方を

昭和と令和のライフプランは、もはや全くの別物です。

 
1. 昭和は社会システムに支えられた「安定・楽観」の時代だった。

 

2. 令和は自己責任が問われる「不安定・悲観」の時代である。

 

3. その背景には、経済の停滞と国民負担の増加という根深い問題がある。

大切なのは、この厳しい現実を嘆くことではありません。
「昔の常識は通用しない」という事実を直視し、「令和のルール」に基づいた新しい自分たちのライフプランを主体的に設計していくことです。

その第一歩が、正しい知識を身につけ、お金のリテラシーを高めること。この記事が、そのきっかけになれば幸いです。