生命保険の仕組みと選ぶポイント

生命保険の仕組みと選ぶポイント

生命保険の仕組みと選ぶポイント
生命保険の仕組みと選ぶポイント

2つのどちらの仕組みを選ぶか

生命保険は選び方によって支払い総額が、とても大きな差が生まれます。全く同じ商品を買っても価格差が1000万円に登ることもあります。「1000万円は大げさでしょう」という方もいらっしゃいますが、大げさな話ではありません。自分に合っていない商品に加入していたおかげで1000万円損することが現実にあります。なぜなら保険は仕組みが複雑で消費者側に相場感がないからです。例えば車を買うときは皆価格を大体知ることができます。ネットで検索すればおおよその相場は把握できるからです。相場400万円の車を800万円と言われれば高すぎると誰もが思うでしょう。

しかし保険は、月々の支払いに目が行きがちで総額が把握しにくいばかりか、同じ仕組みを他社で設計するといくらになるかなどなかなかわかりません。ですから殆ど同じ商品を、Aさんは1000万で購入しBさんは2000万円で購入するという事態が起きてしまいます。これはどう考えてもおかしいです。保険を選ぶ際のポイントをご紹介します。

 

「全期型」と「更新型」では大違い

保険会社は、日本で40社ほどあります。その40社で「全期型」という仕組みの保険商品を取り扱っている会社と、「更新型」という仕組みの保険商品を取り扱っている会社で大きく二つに分かれます。基本はどちらかを一方の仕組みを採用しています。「全期型」と「更新型」では大きく商品特性が違うため、選択を誤るととんでもない損失を被る可能性があるのです。どちらが悪いという話ではありませんが、自分に合っている仕組みはどちらなのかを知り、あっている方を選びましょう。

保険は、人生で2番目に高い買い物です。住宅の次に高額な買い物です。だからこそ、選び方を間違えてしまうと大きく損してしまいます。「住宅」や「不動産」をお持ちの方、住宅ローンの種類によっても保険の組み方は変えるべきです。最終的に相続に使える保険にしておけば将来の無駄な保険料を節約できるかもしれません。「全期型」か「更新型」かどちらの仕組みが良いかだけではなく、今持っている資産とこれから購入予定の資産まで考慮して最適化し、保険と住宅をセットで組み合わせて考えることろがポイントです。

 

保険設計の基本的考え方

一般的に生命保険の本質は、「自己資金では補えない金銭的リスクをカバーする」ことです。またリスクとは「絶対に避けたいリスク」であるべきです。大したことがないリスクにまで保険をかける意味はありません。例えば子供を大学に行かせる費用まで保険金を準備しておくかどうかなどです。大学に行かなくても死ぬことはありませんし、奨学金制度もあります。アルバイトで学費を稼いで自力で通う苦学生も沢山います。そうなりたくないのは当然ですが毎月保険料を支払ってまでカバーすべきかどうかはよく考える必要があります。大事なのは最悪な事態を避けることです。あれこれ想定して未来を予想し始めるとドツボにはまる方が多いので注意が必要です。

リスクを全てカバーすることなど不可能です。家族の衣食住が賄える保険金額であれば十分です。最悪なリスクだけはカバーするということです。もちろん保険金額は多いに越したことはありません。しかしその分経費が掛かることを忘れてはいけません。

 

「絶対に避けたいリスク」かどうか

ないならないで良いと思える事や、自己資金でなんとかなりそうなところまで保険をかけるべきではありません。基本的に生命保険は掛け捨てと言って支払った保険料は戻ってきません。経費のようなものです。経費は1円でも安く抑えるべきだからです。

最近は「人によって保険の形が変わります」「オーダーメイドでその人に合った生命保険があります」「お客様に合ったコンサルティングをします」など、あたかも人によって仕組みが全然変わってくるかのような印象を与える広告が主流となっています。しかし実際問題、人生におけるリスクは人によってそれほど大きく変わりません。死亡、高度障害、癌などは誰でもなる可能性があります。中には子供が生まれたばかりにもかかわらず、私立の大学に行かせたいかどうかまでヒアリングする営業マンもいるようです。

果たして本当に意味があるのでしょうか?国立と私立では学費が違いますので私立の場合は保険金額を少し多めにしましょうということなのですがあまり意味があるとは思えません。そもそも大学に行かなくても死ぬことはないからです。奨学金制度もあります。莫大なコストを支払って準備する必要があるかはよく考える必要があります。

細かい特約などにも注意が必要です。聞けばなんでも必要に思えてくるのが保険という商品なのです。「あれも必要、これも必要」などと言っていたらドツボにはまっている証拠です。「自己資金では賄えない」「絶対に避けたい」の2つの条件に当てはまるものにまずは保険を準備するということが大事です。

 

医療保険を選ぶポイント

医療保険は、入院した場合、手術を受けた場合、通院した場合などに日額や一時金で給付金が支払われる仕組みです。医療保険加入の根拠を得るには日本の医療保険制度を理解しておく必要があります。なぜなら日本の医療保険制度は非常に優れているためです。日本の医療保険制度を知っておけば、どの位の医療保険を準備すれば良いかが非常に明確になります。そもそも国の保障の不足分を民間の保険会社がセーフティーネットとして役割を担っているからです。

 

日本の公的医療保険の仕組み

日本の公的医療制度は、「国民皆保険制度」と呼ばれています。国民全員でお互いを支え合う仕組みです。このおかげで日本人は保険証があればどの医療機関でも受診することができます。実は先進国の中でもこれは当たり前のことではないのです。実負担は、かかった医療費の3割。残りの7割は国の補助となります。このような制度が日本を長寿国にし、高い医療水準を誇る基礎となっています。ただし保険医療においてのみの適用となります。

保険が効かない治療や薬も存在しますので必ず3割負担というわけではありませんが、普通の病気や怪我で治療をする場合はほぼ確実に3割負担で医療を受けることが可能です。

 

高額療養費制度の仕組み

高額療養費制度は特にすごい制度です。医療費が高額になった場合限度額を超えた部分を補填してくれる制度です。医療費の自己負担は、原則3割負担ですが、治療や病気によっては3割だとしても治療費が非常の高額になるケースもあります。そのような場合に活用できるのが高額療養費制度です。高額療養費は「月初から月末までの1ヶ月にかかった医療費が、世帯の所得ごとに計算した上限を超えた時、その超えた部分の金額を支給する」という内容です。

大体の計算式は以下です。

「801,00円+実費の1%」が目安です。

例えば100万円の医療費がかかってしまった場合、3割負担なら30万となりますが、高額療養費制度が適用されますので約9万円の負担で済むということです。つまりどれだけ医療費がかかったとしても10万円/月が上限というイメージで良いと思います。ただし高額療養費制度は保険適用内の話ですから、保険が効かない治療、投薬を行なった場合は全額自己負担となります。当然ですが、美容整形や歯科の特殊な治療、レーシック手術などには適用されません。

 

医療保険の入院日額はいくらが適正?

医療保険で必ず出てくる言葉が、「入院日額○円」という言葉です。これは、病気や怪我で入院した場合に、一日○円支給しますよという意味です。入院日額1万円の場合ですと、7日間入院した場合、7万円の給付金が支給されます。この金額は3000円位〜20,000円位まで各保険会社で範囲が決められています。私がコンサルティングをさせて頂く中では本当に様々なかたがいらっしゃいます。さすがに20,000円/日の方はほとんどいませんが、5000円〜15,000円の範囲内でバラバラという印象です。

一体いくらが適正なのか?

ズバリ5,000円です。なぜかというと上に記述した高額療養費制度があるからです。日本で保険治療を受ける限り一月にかかる医療費は10万円/月ほどです。例えば1ヶ月丸々入院したとしても10万円プラスαで済む話です。仮に10万円だとして30日で割ると、3333円/月となります。ここに食事代などが多少プラスになったとしても一日5,000円給付金があれば十分です。もちろん給付金は多ければ多い程よいですが、その分保険料は割高になっていきますから入院日額5,000円で十分でしょう。

ただし何度も書きますが、保険適用内の治療に限ります。癌などの今まさに治療技術の進歩が著しい病気ですと必ずしも日額5,000円/月で十分とは言えないのでその点は注意が必要です。

 

保険は短期払いを選ぶのがポイント


医療保険に加入されている方は多いと思います。保険料の支払い期間はいつになっているでしょうか。実は医療保険は「終身払い」を選んでいる方が非常に多いです。保険は支払い方によって投資効率が大きく変わる特性があります。全く同じ保障内容だったとしても支払い方によって総額が2倍近くも変わることもあります。特に医療保険は私が保険相談を受ける際にも支払い方をチェックしているのですが、「終身払い」をしている方が非常に多いです。通常お客様が支払った保険料は保険会社が運用しています。日本生命は国内最大の投資機関です。保険会社は保険料からの直接の利益よりも莫大な金額を運用することによる運用利益の方が大きいのです。そのため全く同じ商品であっても支払い方を変えるだけで、総額が変動する仕組みになっているのです。

「終身払い」は、契約者が亡くなるまで保険料を支払い続ける方法です。ですから人によって支払い期間は変わりますが非常に長期間にわたって支払うことになります。それに対して「短期払い」は短い期間で保険料全額を払い切る方法です。例えば15年払いは、15年間で保険料を支払い切る払い方です。終身払いとはかなり違いますね。違いは、毎月の保険料と総額の保険料です。「終身払い」は月々の保険料は安いですが、総額は高くなります。「短期払い」は終身払いに比べて月々は高くなりますが、総額はかなりやすくなります。終身払いは長期間に渡って少しづつ払う方法。短期払いは短い期間でまとめて支払う方法です。

具体的に数字で見てみると、例えば全く同じ医療保険に加入したとしても終身払いでは月々3000円で総額180万円(平均寿命で計算)、15年払いでは月々5500円で総額99万円というようなイメージです。全く同じものを購入して居るにも関わらず、終身払いの方が2倍近くの総額になっています。終身払いは総額が高くなるという点がポイントです。当然長生きすればするほど損することになります。どうせ買うなら安く買った方が良いに決まっています。

 

終身払いを選ぶメリットは?

終身払いにもメリットが全く無い訳ではありません。

それは保険を辞めることを前提とした場合です。例えば、医療制度は今後変わる可能性があります。その際に加入している保険が合わなくなり辞める場合、短期払いですと全額支払ってしまっていますが、終身払いですと結果的に安く済むからです。将来乗り換えを検討しているのであれば終身払いもありということです。ただし注意が必要です。保険は後から加入すればするほど割高になります。一歳年を重ねるごとに保険料は上がっていくからです。また健康状態の審査があります。実はこのリスクが非常に大きいです。健康診断で再検査などが出て審査に影響が出た場合、保険料が割り増し(条件付きと言います)になったり、保障内容が削られたりする可能性があります。

稀に終身払いの方が良いという方がいますが、そういう方の理論は上記の理論です。確かに医療制度が変わる可能性は十分にあります。しかし良くなるか悪くなるかでいうとおそらく悪くなる方向でしょう。財政赤字が続いている上、少子高齢化が本格化し社会保障費を圧迫しています。であれば医療保険を追加することはあっても昔に加入した保険をわざわざ辞めて乗り換えるケースは考えにくいからです。実際20年以上前に加入した保険証券をみることがありますが、確かに時代には合っていませんが、辞めるのはもったいないくらいのお宝保険であることが多いです。問題はそれだけではありません。いざ乗り換えようとした時に健康上の問題で乗り換えられない可能性もあります。ですから安易に将来乗り換えをするからと終身払いを選ばない方が良いでしょう。

もう一つリスクがあります。それは失効リスクです。保険は2ヶ月連続で支払いがなかった場合契約を解除されてしまいます。終身払いということは一生失効リスクを負うことになります。万が一老後に手違いで失効してしまったら目も当てられません。2度と保険には加入できないか、加入できたとしても貯金しておいた方が良いのではというような高額な保険料になるでしょう。ですから医療保険は特別な事情がない限り「短期払い」を選択するべきなのです。

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