ワンルーム投資を検討するとき、多くの人が最初に見るのは物件価格や利回りです。 しかし、これからの時代により重要なのは、金利が上がっても長期で持ち続けられるかどうかです。
今回のワンポイントレッスンでは、ワンルーム投資を検討している方向けに、 「金利上昇時代に最低限チェックすべきポイント」を解説します。
不動産投資は、短期で売買する投資というよりも、ローンを使って長期で保有する投資です。 だからこそ、購入時点の見た目の収支だけではなく、将来の金利変化まで含めて考える必要があります。
ワンルーム投資を検討するときは、営業資料に書かれている現在の収支だけで判断せず、 「金利が1%上がったら毎月収支はいくら悪化するか」を必ず確認しましょう。
低金利の時代であれば、多少収支が悪くても「長期で持てば資産形成になる」という説明が成り立ちやすい面がありました。 しかし、金利が上がる局面では、ローン返済額が増え、毎月の持ち出しが大きくなる可能性があります。
特にワンルーム投資は、購入金額の大部分をローンでまかなうケースが多いため、 金利の影響を受けやすい投資です。 つまり、これからは「買えるかどうか」ではなく「持ち続けられるかどうか」が非常に重要になります。
日本では長い間、超低金利の環境が続いてきました。 そのため、不動産投資でも「低金利で借りられること」を前提にした収支計画が一般的でした。
しかし、現在は以前のようなゼロ金利・マイナス金利前提の時代とは環境が変わってきています。 日本銀行は、金融市場調節方針として無担保コールレートを1.0%程度で推移するよう促す方針を示しています。
もちろん、日銀の政策金利がそのまま不動産投資ローンの金利になるわけではありません。 ただし、金融機関の調達コストや貸出姿勢には影響します。 そのため、これから不動産投資を始める人は、今提示されている金利だけでなく、 将来的な金利上昇リスクも織り込んで判断する必要があります。
金利が上がると、主に次の3つの影響があります。
この中でも、初心者が最初に確認すべきなのは、やはり毎月収支への影響です。
例えば、借入額2,500万円、返済期間35年、元利均等返済で考えると、金利によって毎月返済額は大きく変わります。
| 借入条件 | 金利2.0% | 金利3.0% | 金利4.0% |
|---|---|---|---|
| 毎月返済額の目安 | 約82,800円 | 約96,200円 | 約110,700円 |
| 金利2.0%との差 | − | 約13,400円増 | 約27,900円増 |
※上記は借入額2,500万円・35年返済・元利均等返済で単純計算した概算です。 実際の返済額は金融機関、借入条件、返済方式、団体信用生命保険、諸費用等により異なります。
月1万円〜3万円の差に見えるかもしれませんが、これが毎月続くと、年間では大きな違いになります。 さらに、ここに空室、修繕費、管理費・修繕積立金の上昇などが加わると、想定以上に手残りが悪化することがあります。
注意点:
「今の収支が月5,000円の赤字だから許容範囲」と考えていても、
金利上昇後に月2万円、3万円の赤字になる可能性があります。
ワンルーム投資では、この差を軽く見ないことが大切です。
不動産投資の資料では、よく「表面利回り」が表示されています。 表面利回りとは、年間家賃収入を物件価格で割った数字です。
ただし、表面利回りにはローン金利、管理費、修繕積立金、固定資産税、空室リスク、修繕費などが反映されていません。 そのため、表面利回りだけを見て「利回りが高いから良い物件」と判断するのは危険です。
金利上昇時代に見るべきなのは、表面利回りよりも次のような数字です。
ワンルーム投資を検討するときは、営業担当者に次の質問をしてみてください。
これらの質問に対して、具体的な数字で説明してもらえるかどうかは非常に重要です。 逆に、質問しても曖昧な回答しか返ってこない場合は、慎重に判断した方がよいでしょう。
金利上昇時代のワンルーム投資では、次のような考え方が重要です。
ワンルーム投資は、うまく活用すれば長期の資産形成手段になり得ます。 しかし、ローンを使う以上、金利上昇リスクを無視することはできません。
これからワンルーム投資を検討する人は、物件価格や表面利回りだけで判断するのではなく、 「金利が上がっても持ち続けられるか」を必ず確認しましょう。
特に大切なのは、次の3つです。
不動産投資では、購入前の判断が非常に重要です。 営業資料だけで判断せず、金利上昇後のシミュレーションまで確認したうえで、冷静に検討していきましょう。
参考:日本銀行ホームページ「金融市場調節方針」等
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の不動産投資・金融商品の購入を推奨するものではありません。 実際の投資判断は、ご自身の収支・借入条件・リスク許容度を踏まえてご判断ください。