初心者向け・入力ガイド

老後資金かんたんシミュレーター
入力方法と活用方法

現在の資産や積立額を入力し、「今の計画で老後資金が何歳まで持つのか」を確認するためのシートです。難しい計算は必要ありません。

このシートの目的は、将来を正確に当てることではありません。

今の計画が概ね成立するかを確認し、足りない場合には「積立額・退職年齢・年金受給開始年齢・老後生活費」のどれを見直せばよいか考えることが目的です。

このシートで分かること

01

退職時の予想資産額

現在の資産と毎月の積立を続けた場合、退職時にいくらになっているかを確認できます。

02

老後の毎月不足額

老後生活費から年金を差し引き、毎月いくらを資産から補う必要があるかを確認できます。

03

資産が何歳まで持つか

基準ケースと厳しいケースを比較し、老後計画にどの程度の余裕があるかを確認できます。

最初に知っておくこと

表示 意味
黄色背景・青字 受講者が入力・変更するセルです。
緑字 入力した数字から自動計算される結果です。原則として変更しません。
「計算明細」シート 1年ごとの資産推移を確認するシートです。通常は入力する必要はありません。

入力前の注意

  • 最初は「現在の実際の数字」を入力してください。
  • 希望や理想ではなく、現在無理なく実行できる積立額を使います。
  • 計算式が入った緑字のセルや「計算明細」シートは変更しないでください。
  • 元のファイルを残したい場合は、入力前にコピーを保存してください。

STEP 1 基本情報を入力する

Excelファイルを開き、「かんたん試算」シートの左側にある入力欄を上から順番に入力します。

入力項目 入力する内容 初心者が注意すること
現在年齢 現在の満年齢を入力します。 誕生日が近くても、現在の年齢で構いません。
現在の運用資産 老後資金として使える金融資産を入力します。 生活防衛資金や、数年以内に使う予定のお金は原則として除外します。
毎月の積立額 老後資金として毎月積み立てる金額を入力します。 「将来は増やしたい」という希望額ではなく、現在継続できる金額を使います。
退職予定年齢 給与などの労働収入を前提としなくなる年齢を入力します。 会社を退職しても働き続ける予定なら、実質的に収入がなくなる年齢を入力します。
年金受給開始年齢 年金を受け取り始める予定年齢を入力します。 65歳受給と70歳受給などを比較できます。受給年齢を変えたら、年金額も対応する金額へ変更します。
年金見込額 毎月受け取れる年金の手取り概算を入力します。 「ねんきんネット」などで確認した見込額を基準にします。額面と手取りの違いには注意してください。
老後の生活費 退職後に毎月必要になる生活費を入力します。 住居費・医療費・趣味・臨時支出なども含めた平均額で考えます。最初は概算で構いません。
資産を持たせたい年齢 少なくとも何歳まで資産を残したいかを入力します。 迷う場合は、まず95歳や100歳で試算します。

数字は同じ基準で入力しましょう

このシートでは物価上昇を簡略化しています。年金と生活費は、どちらも現在の感覚に近い概算額でそろえて入力してください。片方だけを将来の金額にすると、比較しにくくなります。

STEP 2 運用利回りを設定する

シートでは、運用結果を「基準ケース」と「厳しいケース」の2種類で比較します。

基準ケース

長期的に期待する標準的な運用結果です。「退職前」と「退職後」を分けて設定します。

厳しいケース

想定より運用結果が悪かった場合です。基準ケースより低い利回りを設定します。

資金不足を「高い利回り」で解決しない

シミュレーション結果が不足したからといって、想定利回りを高くして帳尻を合わせてはいけません。利回りは自分で完全にコントロールできないためです。

STEP 3 試算結果を確認する

すべて入力すると、シート右側の試算結果とグラフが自動的に更新されます。最初に見るのは次の5項目です。

試算結果 確認するポイント
退職時の予想資産 現在の積立を続けた場合、退職時にいくらになる見込みかを確認します。
年金受給前の月間取崩額 退職してから年金を受け取り始めるまで、毎月いくらを資産から補うかを確認します。
年金受給後の月間取崩額 「老後生活費-年金額」で計算される、毎月の不足額です。
目標年齢時の残高 設定した年齢で、資産がいくら残る見込みかを確認します。
資産が尽きる年齢 現在の条件では、資産が何歳頃まで持つかを確認します。特に厳しいケースを重視します。

結果は3段階で判断します

基準・厳しいケースともに目標年齢まで維持

現在の計画には、ある程度の余裕があると考えられます。年1回を目安に数字を更新します。

基準ケースでは維持、厳しいケースでは不足

運用結果に左右されやすい状態です。積立額や退職年齢などを変更した予備プランを作ります。

基準ケースでも不足

現在の条件を修正する必要があります。ただし「もう間に合わない」という意味ではありません。次の4項目を1つずつ変更して再試算します。

STEP 4 不足した場合は4項目を見直す

毎月の積立額

月5万円から月6万円など、無理なく継続できる範囲で変更します。

退職予定年齢

65歳から68歳などに変え、積立期間と取り崩し期間の変化を確認します。

年金受給開始年齢

受給開始を遅らせる場合は、対応する年金見込額も一緒に変更します。

老後の生活費

月1万円の違いでも、30年間では360万円の差になります。

重要:条件は1つずつ変更する

積立額・退職年齢・年金・生活費を一度に変えると、どの変更が効果的だったのか分からなくなります。必ず1項目ずつ変更し、結果がどの程度変わるか確認してください。

サンプル数値の見方

初期設定では、次の人物を例にしています。

  • 現在45歳
  • 運用資産1,000万円
  • 毎月10万円積立
  • 65歳退職
  • 年金65歳受給
  • 年金月14万円
  • 老後生活費月25万円
  • 95歳まで資産を維持
結果 基準ケース 厳しいケース
65歳時の資産 約6,621万円 約4,402万円
年金受給後の月間不足 11万円 11万円
95歳時の残高 約6,638万円 約442万円
資産が尽きる年齢 110歳以降 99歳頃

厳しいケースでも95歳時点で約442万円残るため、「95歳まで資産を持たせる」という目標は達成する見込みです。一方、100歳まで考えると不足する可能性があります。このように、結果を見て終わるのではなく「自分は何歳までを目標にするか」を考えることが重要です。

おすすめの活用手順

  1. 現在プランを確認する
    現在の資産・積立額・退職予定をそのまま入力します。
  2. 厳しいケースを見る
    想定より運用結果が悪くても、目標年齢まで資産が持つか確認します。
  3. 不足する場合は1項目だけ変える
    積立額、退職年齢、年金開始年齢、生活費の順に比較します。
  4. 実行する修正案を1つ決める
    最も効果が高い案ではなく、自分が継続できる案を選びます。
  5. 年1回、同じシートを更新する
    資産額・積立額・年金見込額・生活費などを最新の数字に更新します。

最後に、自分の計画を文章にしてみましょう

私は現在、毎月○万円を積み立て、○歳まで働き、年金は○歳から受け取る計画です。老後の毎月不足額は○万円で、厳しいケースでは資産が○歳まで持つ見込みです。不足した場合は、まず○○を見直します。

よくある質問

生活費が正確に分かりません

最初は現在の生活費を基準にした概算で構いません。重要なのは完璧な数字を作ることではなく、現在の計画がどの程度成立するかを確認することです。

年金見込額が分かりません

ねんきん定期便や「ねんきんネット」で確認します。受給開始年齢を変更する場合は、その年齢に対応した見込額を入力してください。

何%の利回りを使えばよいですか

将来の利回りを正確に当てることはできません。そのため、講座で指定された基準ケースと厳しいケースを使い、低い利回りでも計画が成立するかを確認します。

年金を退職前から受け取る場合はどうなりますか

このシートでは、退職前に受け取った年金は退職まで全額積み立てる前提で計算しています。実際に生活費として使う場合は、結果との差が生じます。

結果が出れば、老後資金は安心ですか

結果は将来を保証するものではありません。あくまで現在の条件に基づく概算です。年1回、または収入・支出・働き方などが大きく変わったときに更新してください。

このシートで精密に計算していないもの

  • 物価上昇による生活費の変化
  • 税金・社会保険料
  • 将来の年金制度変更
  • 毎年異なる運用リターン
  • 退職直後に暴落するなど、運用結果の順番
  • 介護・住宅修繕などの大きな臨時支出
  • 夫婦それぞれの年金や、死亡後の家計変化

ご注意:本シミュレーターは、長期投資と老後資金計画を学ぶための教育用資料です。表示される結果は概算であり、将来の投資成果、年金額、資産残高などを保証するものではありません。個別事情が複雑な場合は、必要に応じて専門家へご相談ください。

このシートの本当の役割

将来を正確に予測することではなく、
現在地を確認し、計画がずれたときに自分で修正できるようになることです。